南フランスのバカンスに電車でGo 後編

2021-12-31

前回の南フランスのバカンスに電車でGo 前編に引き続き、2021年8月に南フランスで過ごしたバカンスの後半がこちらの記事になります。

今回は南西フランスに続いて、南東フランスの記録となります。バカンスというと、高級なホテルに泊まってラグジュアリーな日々を過ごすというイメージがあるかも知れませんが、一般的なフランスの家庭では親族の家を訪ねたりすることが多く、思っているより絞るところは絞って、バカンス期間を楽しまれている方が多いです。

南西フランスから南東フランスへ

自分達も彼女のご家族の家があるTarbes(タルブ)で1週間過ごしてから、彼女のお母さんの家があるBiot(ビオット)という村に向けて出発しました。フランスはEUで一番の農業大国というだけあって、地方は農地ばかりです。

Tarbes Country Side

ちなみにタルブから車で30分くらいの場所には、キリスト教の聖地で、聖水の地として知られるLourdes(ルルド)があります。このブログを読まれている方の多くはキリスト教信仰ではないかも知れませんが、聖水って言葉を聞くだけでFF世代の自分は心が躍ります。今回は訪れることが出来なかったので、来年以降のブログにご期待下さい。

Biot

タルブからモンペリエ、マルセイユ経由で10時間、やっとBiot(ビオット)の隣町で快速が止まるAntibes(アンティーブ)に到着。フランスは四角いので、西から東に移動するのはかなり時間がかかります。ビオットはアンティーブから車で20分ほどの本当に小さな村でした。

彼女の実家のテラスから見える光景がこちら

Biot terrace view No.1

Biot terrace view No.2

なっ、何っ!この最高の眺め!まるでおとぎ話に出てくる光景のようでした。彼女にいい環境で育ったねと話ましたが、彼女にとってはこれが普通で、京町屋に住む方が憧れるとの回答でした。笑

キャメロンディアスの映画「The Holiday」で家を一定期間交換する話ありますが、リモートで仕事をするのが当たり前になった今なら、そういう試みもアリだと思った瞬間でした。話は逸れましたが、彼女の実家では色々とフランスの家庭料理をご馳走になりました。写真はトマト・ファルシ、コジェット・ファルシ、クロックムッシュです。

Tomates farcies

Croque monsieur

南フランスはレモンがよく取れるので、食後には必ずレモンチェッロを振る舞っていただきました。レモンチェッロはレモンリキュールでアルコール度数が30%程度あります。この高いアルコールを小さいグラスで食後にキュッと飲むのが何とも言えない贅沢でした。個人的な感想ですが、食べ過ぎの時に飲むと消化を助けられたように感じました。

ビオットは小さい村ですが、人工芝のフットボール場があり、ガラス工房や教会など観光出来る箇所も多い可愛い村でした。

Antibes

ビオットから一番近いSNFCの快速が停車する街、アンティーブ。フランスのバカンスはニースやカンヌが有名ですが、アンティーブはニースから快速電車で15分の港街です。ビーチがすぐ近くに点在しており、何より有名なのはピカソ美術館です。

天気にも恵まれ、青空の下、街を散策。

Antibes under blue sky

市内にあるマーケットは多種多様な野菜や郷土品を扱っており、観光にはもってこいの場所でした。

Antibes Market

岬でパシャリ。

Antibes cape No.1

Antibes cape No.2

レストランはどこも美味しそうで、悩みました。裏路地を歩いてると、テラスで食事をされている方の一皿がとても美味しそうで入ったのが、La Taille de Guêpeというレストランでした。

エビとワカモレのガスパッチョ、ホタテとアスパラガスのリゾットどちらもとても美味しかったです。

La Taille de Guêpe dish No.1

La Taille de Guêpe dish No.2

一人30EUROくらいで高すぎず、味にも非常に満足でした。ピカソ美術館の写真がこちら。

Musée Picasso

個人的にGivernyにあるモネ美術館の方が好みでした。Givernyについてはフランス、レンタカーで週末小旅行にまとめているので、モネ好きの人は是非ご一読ください。

Menton

週末を利用して、ザ・南フランスの地(ニースやカンヌ)を廻ろうと計画しましたが、彼女のお母さんからのアドバイスで最終的に決まったのは、イタリアとの国境沿いの街、Menton(マントン)。電車で揺られニース、モナコを通り過ぎ1時間、目的地のマントンに到着しました。

バカンスシーズンの真っ只中にホテルを予約しただけあって、値段は一泊300EUROとボチボチ高めでした。選んだホテルHôtel Royal Westminsterは、ビーチに面しており部屋もたまたま角部屋の一番広い部屋に案内されたので、とても満足でした。

Hôtel Royal Westminster

Hôtel Royal Westminster room

お昼はイタリアに近いということもあって、イタリアンへ。

Menton Italian food No.1

Menton Italian food No.2

旅行中は食い意地が張って毎回食べ過ぎてしまうので、ビーチに行く前に、消化の時間を確保するため街中を散策。マントンの名産はレモンです。彼女の家で食後にいただいていたレモンチェロも街中でもよく見かけました。

Menton Remon Beer

Menton Remon

マントンの街並みは美しく、至るとことで美味しそうなものを売っています。炎天下の中を汗だくで歩いてると、街中で売られているジェラードは不可避でした。消化するために歩いていたのに。。。ホテルに戻って一息ついてからビーチへ。これぞザ・南フランス楽しんでます!ってやつでした。

Menton Beach No.1

Menton Beach No.2

細かいTipsですが、マントンのビーチは街の東側、イタリア方向を向いているビーチの方が良いです。南向きのビーチは石のサイズが大きくビーチを裸足で歩くとボチボチ痛いです。

ディナーは彼女が見つけてくれたJR Bistronomieというレストランへ。自分の表現が乏しくて悲しいのですが、全てのプレートが絶品でした。マントン行かれる方は是非お勧めします。

JR Bistronomie dish No.1

JR Bistronomie dish No.2

JR Bistronomie dish No.3

マントンは少し歩くと丘から市街地と海を一望できます。月が綺麗な素敵な夏の夜でした。

Menton city view from hill

お土産ではもちろんレモンチェロを選択。

Monaco

モナコは帰路に着く途中の停車駅のため、少しだけ観光して帰ることに。駅を降りてすぐ気がついたのですが、バックパッカー的な旅行者は自分達だけなのではと。公道も高級車が行き交い、高級ブランドが軒を連ねる。カジノ・ド・モンテカルロを外から眺め、カフェでコーヒーを一杯オーダー。

Monte Carlo Casino

Hotel de Paris Monte-Carlo

そのコーヒーの値段も8EUROと、セブンコーヒーなら10杯飲めるやん!てな感じの物価でした。市街地を徒歩で少しだけまわりましたが、マントンではしゃぎ過ぎた疲れと、場違い感からモナコはすぐに切り上げて家路につきました。

モナコは次回、正装して再挑戦します。

Grasse

香水の聖地、それがグラース(Grasse)です。自分は昔から鼻が利くということもあり、南フランスに行ったら必ず立ち寄りたいと思っていた場所の1つでした。「Miss Dior」などDiorの有名なラインナップの生みの親であるフランソワ・ドゥマシーや、HERMESの庭シリーズを手がけたことで知られるジャン・クロード・エレナなど調香界のトップクリエーターの多くはグラース出身です。2021年にはフランソワ・ドゥマシーのドキュメンタリー映画NOSEが公開されました。香料を求めて世界各地をドゥマシーが訪れるドキュメンタリー作品で、調香という滅多に関わりのない分野の扉を開いてくれます。非常にオススメの作品です。

ちなみにDiorのサイトはShopifyではなく、フロントはNext.jsバックエンドはMagent / Salesforce Commerce Cloudという構成でした。モダンだ。

グラースではGALIMARD(ガリマール)とFragonard(フラゴナール)という2つの香水工場を廻ってきました。調香がグラースで始まった起源、製造方法の歴史、原料、製造機器や調香師にどうやってなるかなど、多岐に渡る説明を受けました。

GALIMARD

GALIMARD inside

特に楽しかったのはフラゴナールで体験した、香水から使われている原料を特定するワークショップでした。

Fragonard

Fragonard inside

Tipsですが、グラースも田舎なので、バスだと非常に不便です。観光は圧倒的に車でのアクセスをオススメします。

まとめ

滞在中は、彼女の10歳の弟とサッカーをしたり、ご家族から挑まれたチェスに、大人気なく全勝するという来賓らしからぬ対応をしてしまったこともありましたが、彼女のご家族のおかげで、心の底からバカンスを楽しむことが出来ました。「おもてなし」についても日本に持って帰れることが多いなと思いました。パリ・ベルサイユも楽しいですが、南フランスのバカンスには自然を楽しむ野生的な解放感がありました。

最後の一枚は、パリに戻った駅のホームでの1枚。電車ではなく、次回は車でバカンスすると心から誓いました。笑

Come back to Paris from Vacance