オーナー視点から見たホテルを安く泊まる方法

2020-05-29更新:2021-02-05

旅行に行くときホテルってどう選ぶ?

今日は宿を経営しているオーナー目線で、どのようにしたら安く宿泊出来るかをお伝えしようと思います。

早速ですが皆さんは、旅行の時どんな方法で宿泊場所を選んでいますか?

多くの人が楽天や、Expedia, Booking.comなどのOTA(Online Travel Agent)を利用しているのではないでしょうか?私もその一人です。

ではOTAはどのように収益を立てているか考えたことはありますか?ビジネスの成り立ちを考えると色々とみえてくることがあります。

OTAのビジネスモデル

OTAのビジネスモデルは非常にシンプルです。OTAのお客さんはホテルと宿泊する人となります。ホテルには在庫管理、金額管理、プランなどを設定出来るシステムを提供します。

お客さんはOTAのアプリを使ってホテルを予約するだけです。つまりホテルに代わってOTAがホテルの営業をしてくれていることになります。多くのOTAはお客さんからは手数料をとらず、ホテル側にシステム利用料として宿泊金額の十数パーセントの手数料を請求します。

OTAによって手数料は若干異なり ExpediaやBooking.comは他と比べて高めです。

メタサーチって何?

一方で、記事を読んでくれている方の中には「trivago」を使う方もおられるのではないでしょうか。では「trivago」もOTAの1つなのかというと、そうではありません。「trivago」は「メタサーチ」といわれるジャンルにあたります。

メタサーチと言ってもわかりにくいので、簡単に説明すると「予約サイトの比較サイト」となります。OTAの金額を比較して一番安い価格をユーザーに提供する。家電で言えば、価格.com, 旅行で言えばSkyscannerなどが有名なメタサーチになります。

trivago

ではメタサーチはどのようなビジネスモデルなのでしょうか?

メタサーチは、宿から手数料を取りません。メタサーチのお客さんはOTAとメタサーチを使ってくれるユーザーとなります。宿泊する人がメタサーチ経由でOTAを選択して予約をした場合、メタサーチは数パーセントの手数料をOTAに請求します。

メタサーチの検索結果に価格差がでる理由

ホテル経営で大変な作業の一つが、在庫管理と金額設定です。OTAで宿を載せれば載せるほど、管理するサイトは増えていきます。1つや2つのサイトなら管理出来るかもしれませんが、それ以上数が増えると人海戦術で管理するには無理がでてきます。ここで登場するのが一元管理システムといわれるサービスです。殆どのホテルではこの一元管理システムが導入されています。一元管理システムは在庫管理や価格管理をそのシステムだけで完結できます。あとは各OTAに自動的に接続されます。

例えばAさんがBooking.comで、BさんがExpediaで同じホテルの同じプランを同時にみていたとします。AさんがBooking.comで即決した場合、BさんはExpediaで同じ部屋を予約出来ません。これを実現しているのが一元管理システムになります。

一元管理システムで在庫や価格が同期出来ると説明しましたが、メタサーチを使った時になぜOTA毎に値段が違うのか?と思われる方も多いと思います。それには以下のような理由があります。

  1. 各OTAの手数料が違うので、一元管理システムからOTAに接続する価格を変えている
  2. OTA独自の割引プランなどによって価格が変わる
  3. OTAによっては手数料抜きの金額が比較欄に表示される

メタサーチを使うことで、安いOTAを簡単に見つけられることはわかりました。しかしまだここで話は終わりません。

メタサーチでは安そうなOTAに目星はつけられても、ユーザー毎の情報は加味出来ません。何が言いたいかというと、多くのOTAではユーザーの条件によって更に割引を用意している場合が多いです。つまりここまでの話を加味すると

  1. メタサーチで安そうなOTAを複数ピックアップする
  2. OTAにログインして最終的な金額を比較する

上記のステップを踏むと良さそうです。

更に安く泊まりたい場合は?

メタサーチで比較して、OTA毎の割引を確認することで安く泊まれることは確かです。しかし更に安く泊まるれる可能性があります。それは宿に直接アプローチすることです。今までの説明で述べたように宿はOTAに対して十数パーセントの手数料を払っています。つまり10%程度であれば、十分ネゴ範囲内(交渉出来る範囲)なのです。しかしこれには2点注意が必要です。

  1. OTAの最安値を把握している
  2. 宿が事前決済出来ない場合、ノーショーリスクを考慮してネゴに応じない

このような場合は交渉出来ない場合もあります。ネゴする場合は、最低価格を把握して絶対にノーショーリスクがないことを宿に説明しましょう。

ホテル予約に起こる波

実はここ数年でホテル業界のメタサーチは一気に勢力図が変わりつつあります。それはGoogleがメタサーチに本気になってきているからです。ホテル比較「メタサーチ」の成長はどこまで続くか? この記事からわかるようにGoogleのメタサーチにおける投資額は爆延びしています。最近ではGoogle Mapで各OTAの金額比較が出来るようになっています。

google meo

Googleの圧倒的な資本力と技術力でユーザビリティーの高いメタサーチが出来ることはほぼ確実な未来で、今後はより多くのユーザーがGoogle Mapを経由してから宿を予約することになりそうです。ではホテル側が力を入れるべきは

  • Google my businessを初めてMEO(Map Engine Optimization)対策をする
  • OTAに頼らない予約システムをGoogle メタサーチと連動させる

特にMEO対策はクリティカルで、乗り遅れることで大きな機会損失になることは間違いありません。これは宿だけではなく実店舗があるビジネスの全てに共通します。

まとめ

今回はオーナー視点で安く泊まれる方法を述べました。今回の話をまとめると以下の通りです。

  • メタサーチでフィルターをかける
  • フィルターしたOTAでログイン&最終価格を確認する
  • 宿に直接交渉する
  • Google Mapを起点にした流入が増えることが予想される
  • Google my businessの登録とMEO対策が必須